日本銀行金融研究所では、2000年1月25日、「低インフレ下での金融政策の役割」と題するワークショップを開催した。本ワークショップは、本年7月に行われる金融研究所主催の国際コンファランスの準備の一環として、3本の論文をもとに議論を行った。
第1セッションでは、資産価格バブルに見舞われた1980年代後半におけるわが国の金融政策の対応を点検し、今後の政策運営への教訓について議論を行った。第2セッションでは、1990年代において日本経済が長期にわたって低迷した背景について考察し、金融政策とプルーデンス政策の対応について、暫定的な評価を試みた。第3セッションでは、今後の金融政策運営の制約条件となる可能性がある政府債務の累増と財政規律の問題について、歴史的・理論的な観点から議論を行った。
本稿では、ワークショップにおける各セッションの要旨、指定討論者によるコメント、一般討論の模様について、さらに、これらの議論を踏まえて行われた第4セッションでの総括的な自由討論の概要について紹介する。
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