金融研究 第37巻第1号 (2018年1月発行)

P2Pレンディングの仕組みと法規制:英国のP2Pレンディング規制を中心に

左光敦

近年、FinTechと呼ばれる、ITを活用した新しい金融サービス事業が注目されている。P2Pレンディングとは、銀行等の金融機関を介さず、貸手が借手に、比較的小規模の、個人・中小企業向け融資をインターネット経由で行う、新しい金融仲介の仕組みである。P2Pレンディングは、2005年に英国業者がサービスを提供して以来、英国、米国、中国において、急速に融資残高が増加している。
P2Pレンディングに関する法制度についてみると、英国では、2014年に金融行為規制機構(FCA)がP2Pレンディング業者に対する規制を導入している。一方、米国や日本では、P2Pレンディング業者固有の新たな規制は導入されておらず、既存の法規制の枠組みのなかで、そうした事業を営む業者が規制されるにとどまっている。
本稿では、まず、P2Pレンディングの仕組みとその特徴を、銀行による融資と対比しつつ明らかにしたうえで、英国のP2Pレンディングに関する法制度を概観し、日本の法制度のあり方についての示唆を探る。

キーワード:P2Pレンディング、金融仲介、金融機関、銀行、融資、FCAハンドブック、FinTech


掲載論文等の内容や意見は、執筆者個人に属し、日本銀行あるいは金融研究所の公式見解を示すものではありません。

Copyright © 2018 Bank of Japan All Rights Reserved. 注意事項

ホーム