ディスカッションペーパーシリーズ(日本語版) 2017-J-3

P2Pレンディングの仕組みと法規制:英国のP2Pレンディング規制を中心に

左光敦

近年、FinTechと呼ばれる、ITを活用した革新的な金融サービス事業が注目されている。P2Pレンディングは、FinTechの一部と位置づけられ、銀行等の金融機関を経由せずに、インターネットを経由して、個人等が貸手となって、個人や中小企業に対して、比較的小規模の融資を行うという新しい金融仲介の仕組みである。P2Pレンディングは、2005年に英国のP2Pレンディング業者がサービスの提供を開始して以降、英国や米国を中心に、急速に融資残高を増加させている。
P2Pレンディングに関する法制度についてみると、英国では、2014年にFCAがP2Pレンディング業者に対する規制を導入している。一方、米国や日本では、P2Pレンディング業者固有の新たな規制は導入されておらず、既存の法規制の枠組みのなかで、そうした事業を営む業者が規制されるにとどまっている。
本稿では、まず、P2Pレンディングの仕組みについて、従来の銀行等による融資と比較して整理したうえで、英国のP2Pレンディングに関する法制度を概観し、日本の法制度のあり方についての示唆を探る。

キーワード:P2Pレンディング、金融仲介、金融機関、銀行、融資、FCAハンドブック、FinTech


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