確率的ボラティリティモデルのパラメータの推定法としては擬似最尤法がよく知られているが、近年、数値積分やモンテカルロ近似に基づく非線形フィルタの利用によって、最尤推定値を求める方法も提案されている。本稿では、幾つかの新しい最尤推定および擬似最尤法推定の方法を提示し、従来の近似的方法との関係を示すとともに、日経225データの分析およびシミュレーションによって、これらの推定法の比較検討を行った。その結果、擬似最尤法では通常用いられるHRS法よりもKG法の方が最尤推定値に近い結果を与えること、最尤推定を行うNG-HRSとNG-KGはほとんど同じ結果を与えることが分かった。
キーワード:カルマンフィルタ、非ガウス型フィルタ、平滑化、AIC、金融時系列、日経225データ
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