本稿では、CVAを考慮したデリバティブの価格付けに関する問題のうち、逆問題と呼ばれる問題に対する効率的な確率的求解手法を提案する。
本稿で提案する手法は、孕石[2013]の手法が利用したマーク付き分枝拡散過程を、Fujii and Takahashi[2012]によって提案されたインタラクティング・パーティクル法と呼ばれる手法に置き換えたものである。この置き換えにより、孕石[2013]の手法が適用できない、デリバティブのペイオフ関数が有界でない場合や、デフォルト時の清算価格の基準としてCVAを含まない価格を用いる場合にも適用することが可能となる。
キーワード:CVA、デリバティブ評価における逆問題、インタラクティング・パーティクル法、ロビンス=モンロー・アルゴリズム
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