近年、インターネットやスマートフォンなど情報通信技術の急速な普及を背景に、フィンテックと言われる金融サービスと情報通信技術を結びつけたさまざまな革新的な動きがみられている。さらには、人工知能(artificial intelligence:AI)技術の急速な進展が金融サービスに新たな可能性をもたらそうとしている。一方、こうした変化に伴い、新たなセキュリティ面での課題も顕在化している。日本銀行金融研究所・情報技術研究センター(Center for Information Technology Studies: CITECS)では、金融分野におけるセキュリティ面での課題への対応を研究面から支援すべく、これまでさまざまな調査研究を行ってきた。今回のシンポジウムでは、CITECS における情報セキュリティ研究の 20 年を振り返るとともに、近年関心が高まっている、量子耐性を有するシステム、AI、デジタル決済といったテーマについて講演と対談を行い、今後のセキュリティ対策について考察を行った。当日は、金融機関やフィンテック企業などの実務家、システム開発・運用に携わる技術者、研究者など約200名がオンラインで参加した。本稿では、講演および対談の概要を紹介する。
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