日本銀行金融研究所は、5月27日~28日に「金融政策の新たな課題」をテーマとして2025年国際コンファランスを開催した。1983年に第1回を開催して以降、今回で30回目を迎え、政策運営から経済分析まで幅広く議論された。植田和男(日本銀行)の開会挨拶に続き、アグスティン・カルステンス(国際決済銀行)が公共政策に対する信頼の重要性について論じた前川講演を行った。また、アタナシオス・オルファニデス(マサチューセッツ工科大学)が金融政策とそのコミュニケーション上の課題について基調講演を行った。そのほかジョン・ウィリアムズ(ニューヨーク連邦準備銀行)と氷見野良三(日本銀行)が特別対談を行った。論文報告セッションでは、アネッテ・ヴィッシング=ヨルゲンセン(連邦準備制度理事会)、クリストファー・ジョン・エルセグ(国際通貨基金)、ユーリー・ゴロドニチェンコ(カリフォルニア大学バークレー校)、池田大輔(日本銀行)が物価と金融政策に関する理論的・実証的な研究報告を行った。さらに、1つ目の政策パネル討論では星岳雄(東京大学)を座長とし、不確実性の高い経済のもとでの金融政策の課題について、マリオ・センテノ(ポルトガル銀行)、アンドリュー・ハウザー(オーストラリア準備銀行)、ニール・カシュカリ(ミネアポリス連邦準備銀行)、M・アイハン・コーゼ(世界銀行グループ)の4名がパネリストを務め議論をかわした。クリストファー・ウォラー(連邦準備制度理事会)を座長とする2つ目の政策パネル討論では、グローバル経済における金融政策をテーマとして、ピエール=オリヴィエ・グランシャ(国際通貨基金)、リュック・ラーフェン(欧州中央銀行)、クレア・ロンバルデッリ(イングランド銀行)、エリ・レモロナJr.(フィリピン中央銀行)、内田眞一(日本銀行)の5名がパネリストを務め議論をかわした。
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