金融研究 第43巻第1号 (2024年1月発行)

第23回情報セキュリティ・シンポジウム「オープン・ソース・ソフトウェアのセキュリティ」の模様

オープン・ソース・ソフトウェア(Open Source Software: OSS)とは、ソース・コードが公開され、誰もが自由に利用や修正、再配布が可能なソフトウェアのことである。一般的にOSSは、ばらつきはあるものの透明性の高い検証が積み重ねられていることから、高いソフトウェア品質が期待できる。OSSは、現在、金融分野に限らずあらゆる分野でソフトウェア開発に欠かせない存在となっており、ビジネスでの活用が拡がっている機械学習(人工知能)においても使用されている。OSSとそれ以外の商用ソフトウェア等は、その本質においては同じである。もっとも、ソース・コードの透明性、開発形態、ライセンスと利用の様態などにおいては、さまざまな違いがある。金融分野でOSSを安全に活用していく際には、こうしたOSSの特色を踏まえた対応が必要となる。今回のシンポジウムでは、金融業界においてOSSを安全に活用していくことを展望し、OSSを活用するメリットや脆弱性対応のあり方について、関連する分野の専門家や実務者を招き、講演とパネル・ディスカッションを行った。シンポジウムには、情報セキュリティ技術に関心のある金融機関関係者などを中心に約150名がオンラインで参加した。本稿では、講演およびパネル・ディスカッションの概要を紹介する。


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