金融研究 第42巻第4号 (2023年10月発行)

2023年国際コンファランス「金融政策の古典的な課題と新たな展望」議事要旨

日本銀行金融研究所は、5月31日~6月1日に「金融政策の古典的な課題と新たな展望」をテーマとして2023年国際コンファランスを開催した。1983年の初回以降、今年で28回目の開催となった本コンファランスは、コロナ禍前の2019年以来となる4年ぶりに対面で開催され、中央銀行が直面してきた古典的な課題と、そこから得た教訓を、今日、中央銀行が直面する環境のもとでどう生かすかという新たな展望について幅広く議論を行った。植田和男(日本銀行)の開会挨拶に続き、モーリス・オブストフェルド(カリフォルニア大学バークレー校)が自然利子率(r-bar)と中立金利(r-star)の区別について議論した前川講演を、金融研究所海外顧問のアタナシオス・オルファニデス(マサチューセッツ工科大学)が中央銀行のフォワード・ガイダンスの罠についての基調講演を行った。論文報告セッションでは、マイケル・ウェーバー(シカゴ大学)、ラファエル・ショーンレ(ブランダイス大学)、マイケル・マクマホン(オックスフォード大学)、須藤直(日本銀行)が、米国における家計のインフレ予想、政策議事録のテキスト解析、日本の物価変動に関する研究報告と討議を行った。1つ目の政策パネル討論ではオルファニデスを座長とし、デビッド・アルティグ(アトランタ連邦準備銀行)、アンドリュー・ベイリー(イングランド銀行)、オッリ・レーン(フィンランド中央銀行)、フランク・スメッツ(欧州中央銀行)、植田和男の5名がパネリストを務め議論をかわした。マーカス・ブルネルマイヤー(プリンストン大学)を座長とする2つ目の政策パネル討論では、アイノ・ブンゲ(スウェーデン・リクスバンク)、アダム・グラピンスキー(ポーランド国民銀行)、ピエール=オリヴィエ・グランシャ(国際通貨基金)、パブロ・エルナンデス・デ・コス(スペイン銀行)、氷見野良三(日本銀行)の5名がパネリストを務めた。


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