金融研究 第39巻第4号 (2020年10月発行)

多様化するリテール取引システムのセキュリティ:ビジネスリスク管理に焦点を当てて

宇根正志、沖野健一

近年、実店舗で現金を使わずに商品やサービスを購入できるリテール取引システムが多様化している。支払いに当たり、専用端末ではなくスマートフォン等の汎用モバイル端末を用いる取引が広がっているほか、顧客自身がモバイル端末の通信網を介して決済事業者と直接通信することも行われている。また、QRコードの利用や暗号資産による取引もみられている。本稿では、こうした最近のリテール取引システムの特徴を決済事業者により取引が承認されるタイミングや取引承認を要請する主体等の見地から類型化し、各類型についてビジネスリスク管理の観点から、想定される攻撃やセキュリティ対策の方針を検討する。

キーワード:暗号資産、クレジットカード取引、セキュリティ、電子マネー取引、ビジネスリスク管理、リテール取引システム、QRコード


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