金融研究 第35巻第4号 (2016年10月発行)

第17回情報セキュリティ・シンポジウム
「金融取引を安心安全に実現するための認証技術:FinTech時代も意識して」の模様

日本銀行金融研究所は、2016年3月2日、「金融取引を安心安全に実現するための認証技術:FinTech時代も意識して」をテーマとして、第17回情報セキュリティ・シンポジウムを開催した。
インターネット・バンキングに関わる脅威と不正対策への関心は、近年高まる傾向にある。また、「FinTech」と呼ばれ、注目を集めている新しい金融サービスも、主にインターネット経由で提供されるため、同様のセキュリティ問題に晒されている。新旧いずれのサービスにおいても、利用者や取引内容を確認することで安心安全な金融取引を実現する「認証」が重要な役割を担っており、同技術を巡る最新動向を継続的に把握し、活用方法を検討することが重要である。その際、技術の発展・普及の観点から、セキュリティ(安全性)、利便性、網羅性の3つの要素をバランスよく満たす認証技術の開発が望まれる。
本シンポジウムでは、認証技術に関わる研究開発の最新動向を紹介する講演を当研究所スタッフと外部研究者が行った。また、外部の専門家を招いて、「インターネット・バンキングのさらなる発展に向けて」と題するパネル・ディスカッションを行い、セキュリティ・利便性・網羅性の間でバランスを取るためには、いかなる方法が有効かといった点について議論した。本稿では、キーノート・スピーチ、4つの講演、パネル・ディスカッションの概要を紹介する。

キーワード:異常検知、インターネット・バンキング、生体認証、取引認証、認証プロトコル、FinTech、TEE


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