金融研究 第27巻第2号 (2008年4月発行)

資産価格と金融政策:動学的一般均衡モデルによる分析と展望

齋藤雅士、福永一郎

 本稿では、資産価格の動きを金融政策運営上どのようにみていくべきかについて、資本市場の不完全性を考慮した動学的一般均衡モデルを用いて分析するとともに、関連する最近の研究動向も紹介しながら、理論的な考察を行う。分析からは、資本市場が不完全な場合には、資産価格を参照しながら金融政策運営を行うことが望ましくなる可能性がある一方で、資産価格の変動の起因となるショックの性質に関して中央銀行の持つ情報が不完全な場合には、資産価格を参照しないことが望ましくなる可能性があることがわかった。

キーワード:資産価格、金融政策、資本市場の不完全性、動学的一般均衡モデル


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