金融研究 第24巻別冊1号 (2005年7月発行)

マリアバン解析を用いたオプションのリスク指標の数値計算について

今村悟、内田善彦、高橋明彦

 本稿では、マリアバン解析とモンテカルロ法を用い、原資産価格が拡散過程に従うときのプレーンバニラ、デジタル、アジア型の各オプションのリスク指標(デルタ、ガンマ)に対する効率的計算方法を検討した。特に、Fournie et al.[1999]の方法を拡張し、プレーンバニラ・オプションのガンマなどに対してはより効率的な方法を、アジア型オプションのガンマに対しては新しい計算方法をそれぞれ考案した。また、価格の変動を記述する確率微分方程式についても、彼らが用いた例(対数正規過程)と共に、CEV(constant elasticity of variance)過程に対し、われわれの方法の有効性を検証、確認した。さらに、対数正規過程に関する既存の結果に関しても明示されていなかった証明を示した。

キーワード:マリアバン解析、リスク指標、モンテカルロ法、CEV 過程


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