金融研究 第24巻第3号 (2005年10月発行)

金融政策における委員会制とインセンティブ問題

藤木裕

 本稿では以下5つの問いを検討する。第1に、なぜ立法者は独立した中央銀行を作ることを選択するのか。第2に、なぜ立法者は金融政策の運営を総裁個人にではなく、金融政策委員会に委任するのか。第3に、金融政策委員会の人員の大きさを制限する重要な要因は何か。第4に、金融政策委員会はその政策決定結果に加えて、委員個人の投票結果も公表すべきなのか。第5に、現在の金融政策委員会の委員は、どの程度、将来の委員の意思決定を制限できるのか。関連した経済文献の展望からは以下の結論が得られる。最初の2つの問いに関しては、ある程度の合意がある。残り3つの問いに関しては、未解決のままである。

キーワード:中央銀行の独立性、金融政策委員会、投票、透明性、コミットメント


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