本稿では、1999年2月から2000年8月にかけて行われたゼロ金利政策下の時間軸効果を、定量的に検証する。実証分析によれば、金融市場において観察された、将来の金融政策経路に関する期待チャネルを通じる時間軸効果は、脆弱な金融市場状態によって生じた流動性効果によって強力に補完されていた。この分析結果の政策含意は、ゼロ金利政策の効果が、金融市場やマクロ経済の環境に大きく依存していることである
キーワード:ゼロ金利政策、時間軸効果、流動性制約、フォーワード・レート
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