金融研究 第18巻第2号 (1999年4月発行)

情報セキュリティ ・シンポジウム  会議の概要

 インターネットの爆発的な拡大に伴い、オープンなコンピュータ・ネットワークを利用してビジネスを行う「電子商取引」に対する期待が高まっている。「情報セキュリティ技術」は、電子商取引におけるプライバシーや個別取引の安全性を確保する上で不可欠な技術である。わが国の金融機関が、今後、オープンなネットワークを利用して新しい金融サービスを本格的に展開していく際には、情報セキュリティ技術を正しく評価し、有効に活用していく必要があり、その基礎理論として暗号技術等の理解を深めておく必要がある。
 日本銀行金融研究所では、このような問題意識に基づき、昨年11月4日、「金融分野における情報セキュリティ技術の現状と課題」をテーマにシンポジウムを開催した。日本銀行金融研究所は、従来から、国際標準化機構の金融専門委員会(ISO/TC68)の国内審議団体の事務局を務めていることもあって、国際的な動向を視野に入れながら、金融業務に利用される情報セキュリティ技術に関する技術研究を行ってきている。今回のシンポジウムは、上記のような問題意識を国内の金融機関の実務家や標準化担当者、関連業界の技術者と共有し、わが国の対応の一助となることを目的として開催したものである。
 『金融研究』本号は、本ワークショップに関する特集号である。シンポジウムにおける各発表の概要をとりまとめた「会議の概要」のほか、5本の提出論文を掲載している。


掲載論文等の内容や意見は、執筆者個人に属し、日本銀行あるいは金融研究所の公式見解を示すものではありません。

Copyright © 1999 Bank of Japan All Rights Reserved. 注意事項

ホーム