金融研究 第17巻第5号 (1998年11月発行)

FEワークショップ 会議の概要
「フィナンシャル・エンジニアリングによる株式市場の分析」

 わが国では、昨今の株式市場の低迷を一つの契機として、企業間の株式持ち合いや金融機関による政策的な株式保有といったわが国に特徴的な構造の是非について再検討する動きが見られ始めている。また、市場参加者が株式取引や与信取引に伴うリスクに敏感になってきたことを反映して、例えば株価情報を利用して信用リスクを定量的に分析する試みが話題となる機会が増えている。
 こうした状況を踏まえ、日本銀行金融研究所は、本年7月30日、「フィナンシャル・エンジニアリングによる株式市場の分析」をテーマとする研究ワークショップを開催した。本ワークショップは、フィナンシャル・エンジニアリングの手法を利用してわが国の株式市場を巡る諸問題に新たな視点を提供できないかという問題意識の下、学者と実務家が率直に意見交換を行う場を提供することを目的として開催され、民間金融機関のリスク管理担当者をはじめとする実務家とファイナンス関連の学者約100名が参加した。
 本稿は、このワークショップにおける各報告と議論の概要を取りまとめたものである。具体的には、第1セッション(株式ポートフォリオ・マネジメント)および第2セッション(株価情報の分析と活用)における計5本の論文の報告要旨、指定討論者(学者、実務家)によるコメント、フロアを交えた自由討議、さらに座長による総括コメントの概要を紹介する。


掲載論文等の内容や意見は、執筆者個人に属し、日本銀行あるいは金融研究所の公式見解を示すものではありません。

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