ディスカッションペーパーシリーズ(日本語版) 2022-J-3

「気候変動の経済学」:欧米における主要研究の紹介

有賀涼、池田大輔、篠原武史、笛木琢治、武藤一郎、米山俊一

気候変動問題に対するグローバルな関心が急速に高まっている。気候変動とマクロ経済の関係を分析し、政策評価を行うためには、これらの間の相互作用を適切にモデル化し、分析の枠組みを作る必要がある。「気候変動の経済学」は、そのフレームワークを提示するとともに、気候変動問題に対処するための政策を考える手掛かりを提供している。本稿では、欧米における主要な研究をいくつか取り上げ、そのエッセンスを解説する。具体的には、気候変動問題をマクロ動学モデルで捉えた基本となるモデル、温室効果ガスの負の外部性に対応するための最適課税、グリーン部門の技術進歩に伴う正の外部性を活用するための研究開発補助金、金融政策の位置づけ、最近の実証分析を順に紹介する。

キーワード:気候変動、DICEモデル、炭素税、クリーンエネルギー、技術進歩、非伝統的金融政策、異常気象


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