ディスカッションペーパーシリーズ(日本語版) 2021-J-8

チャージ型決済の実現方法とそのセキュリティについて

田村裕子

近年、デジタル決済サービスの利用が拡大している。なかでも、電子マネーやコード決済のように、決済事業者が金銭的価値を発行し、それを利用して決済を行うサービス(チャージ型決済)が広く普及してきている。また、暗号資産もユーザ間で金銭的価値の授受を可能とするスキームの1つである。チャージ型決済には、金銭的価値の保管形態や保管場所の違いによって、いくつかの実現方法が存在する。決済サービスの提供にあたっては、その実現方法に由来する情報セキュリティ面のリスクの特定に応じて対策を講じる必要があることから、本稿では、チャージ型決済における金銭的価値の保管形態や保管場所によって、セキュリティ対策がどのように異なるのか整理を試みる。具体的には、チャージ型決済の各実現方法について、金銭目的の攻撃として想定される不正行為の種類を列挙し、それに対抗するためのセキュリティ対策の差異について考察を行う。

キーワード:暗号資産、コード決済、セキュリティ対策、チャージ型決済、デジタル決済、電子マネー


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