ディスカッションペーパーシリーズ(日本語版) 2019-J-4

量子コンピュータに耐性のある暗号技術の標準化動向:米国政府標準暗号について

四方順司

近年、これまでとは異なる新たな計算技術として、量子コンピュータの研究開発が進展している。量子コンピュータは、現代のコンピュータと比較して高速な演算処理が可能とされているため、その将来的な実用化の可能性を見据えて、量子コンピュータに耐性を有する暗号技術の研究開発が活発化している。現在、米国政府は量子コンピュータでも解読できない暗号技術(公開鍵暗号やデジタル署名)の標準化を進めており、全世界から標準化候補の方式を募集し、今後、数年をかけて米国政府標準暗号を選定する計画である。本稿では、その候補になっている暗号技術を概観し、それらの特徴について解説する。

キーワード:鍵カプセル化メカニズム、鍵配送、公開鍵暗号、耐量子計算機暗号、デジタル署名、標準化


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