ディスカッションペーパーシリーズ(日本語版) 2018-J-20

暗号資産における取引の追跡困難性と匿名性:研究動向と課題

宇根正志

ビットコインをはじめとする暗号資産においては、ブロックチェーン上にすべての取引の情報が記録され、取引当事者でなくても取引の流れを追跡できるが、取引当事者である実際の個人や組織まで特定することは困難となっている。もっとも、最近では、暗号資産の取引に付随する情報を用いることなどにより、取引当事者をある程度絞り込むことができるとする研究成果がみられる一方で、取引の追跡困難性を高める新たな手法も提案されている。個々の暗号資産の特性を正確に理解するうえで、その取引の追跡困難性と匿名性について把握することはますます重要になっているといえる。こうした問題意識のもと、本稿では、暗号資産の取引の追跡困難性と匿名性に関する最近の研究動向を紹介する。

キーワード:暗号資産、追跡困難性、匿名性、ビットコイン、ブロックチェーン


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