ディスカッションペーパーシリーズ(日本語版) 2017-J-7

共通鍵暗号型の検索可能暗号の処理性能について

芦原聡介、清藤武暢

近年、金融機関においても、情報システムを効率的に構築・運用するため、クラウド・サービスを提供する外部事業者へ業務をアウトソース化する動きが進展している。金融機関がクラウド・サービスを利用する際の主な懸念は、サービスを提供する外部事業者から、機密性の高いデータが漏えいするリスクである。こうしたリスクの軽減に資する技術として「高機能暗号」が注目されている。検索可能暗号は、代表的な高機能暗号の1つであり、データを暗号化したままで検索を可能にする技術である。同技術は、クラウド・サービス上でデータの機密性を確保しつつ、大量のデータの中から必要なデータを効率よく取得することを可能にするものとして期待されている。本稿では、共通鍵暗号型の検索可能暗号を取り上げ、その研究動向を紹介する。また、処理性能にかかる評価尺度を示し、最近提案されている主要な実現方式の比較を行う。

キーワード:共通鍵暗号、クラウド・サービス、検索可能暗号、高機能暗号、処理性能


掲載論文等の内容や意見は、執筆者個人に属し、日本銀行あるいは金融研究所の公式見解を示すものではありません。

Copyright © 2017 Bank of Japan All Rights Reserved. 注意事項

ホーム