ディスカッションペーパーシリーズ(日本語版) 2013-J-7

ワークショップ「公正価値評価の拡大が会計の契約支援機能に与える影響について」の模様

 日本銀行金融研究所では、企業会計に関する研究の一環として、2013年3月8日、「公正価値評価の拡大が会計の契約支援機能に与える影響について」をテーマにワークショップ(座長:徳賀芳弘・京都大学教授)を開催した。
 近年、国際会計基準審議会(IASB)や米国財務会計基準審議会(FASB)は、公正価値情報が投資家の意思決定にとって有用であるとの考えのもと、資産・負債に対する公正価値評価の範囲を徐々に拡大してきた。こうした公正価値重視の方向性が投資家の意思決定に与える影響については、これまでもさまざまな角度から議論がなされている。他方、財務制限条項や経営者報酬契約などの私的契約、さらには配当規制や銀行監督などの公的規制において会計情報を利用する当事者への影響、すなわち、いわゆる会計の契約支援機能に与える影響については、必ずしも十分に議論されていないように思われる。本ワークショップは、こうした会計の契約支援機能の側面に焦点を当て、当該機能との関係からみた公正価値評価拡大の影響について議論を深めることを目的として開催された。
 本稿では、本ワークショップにおける導入報告、コメント、討論および座長総括コメントの概要を紹介する。

キーワード:IFRSの影響、公正価値評価、投資意思決定支援機能、契約支援機能、利害調整機能、エージェンシー問題、企業行動


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