本稿では、低金利環境下でのフィット向上を目指して開発された最近のイールド・カーブ・モデルについて、サーベイを行う。本邦に代表されるような低金利環境下では、バシチェック・モデルなどの古典的なイールド・カーブ・モデルはうまくフィットしないことが広く指摘されている 。このため、最近では、低金利でのフィッティングを目指したモデルの研究が多くなされている。代表的なものに、Black[1995]が提唱した金利を一種のオプションととらえる潜在金利モデルや、金利の状態を2つに分けて考えたスイッチング ・モデルがある。本稿では、これら2つのモデル、および、その派生モデル群について、そのエッセンスを紹介するとともに、各モデルの特徴点を比較 ・整理する 。
キーワード:イールド・カーブ・モデル、潜在金利モデル、スイッチング・モデル
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