情報セキュリティ・セミナーは終了しました

2022年2月4日
    最終更新日:2022年2月28日
日本銀行金融研究所

情報技術研究センターでは、2月22日(火)、「量子暗号通信の安全性」をテーマとして、情報セキュリティ・セミナーを開催いたしました。

量子暗号通信は、量子力学的な性質を利用して情報(暗号鍵)を安全に通信するプロトコルです。量子コンピュータによる暗号解読の脅威に対して安全性を確保できるため、次世代の通信方式の有力な選択肢の1つとみられています。量子暗号通信の安全性の根拠を理解しておくことは、今後長期にわたって通信インフラを活用する可能性のある金融機関や決済事業者にとって重要です。

本セミナーでは、理想的および現実的な環境のもとでの量子暗号通信の安全性に焦点をあて、第一線の研究者をお招きしてご講演いただきました。

1.日時および開催形態

(1) 日  時  2月22日(火) 11:00-12:30

(2) 開催形態  オンライン開催(Cisco Webex Eventsを利用)

―― インターネットに接続可能なスマートフォンやPCのブラウザからご参加いただけます。参加申込みされた方には、2月18日(金)に参加のためのURLをメールでお送りいたします。



2.プログラム

  • 講演1(11:00-11:45):量子暗号通信とサイドチャネル攻撃
    玉木 潔 氏(富山大学 教授)

概要:量子暗号通信が安全であるためには、安全性証明理論が課す条件を量子暗号装置が満たす必要があります。これまでの理論では正規の経路以外から暗号鍵の情報を盗み取る攻撃(サイドチャネル攻撃)が十分に考慮されてきませんでしたが、最近の理論ではこれらも考慮されてきています。本講演では、サイドチャネル攻撃対策のための最新理論を紹介します。

  • 講演2(11:45-12:30):量子暗号通信の安全性
    佐々木 寿彦 氏(東京大学 講師)

概要:量子暗号通信は、理想的な状況では、攻撃者が無限の計算能力を有していたとしても通信内容の機密性を保証することができます。近年では、既存の光通信技術との親和性が高い通信方式(連続量量子鍵配送、CV-QKD)の理論的な安全性が証明されており、理論的な基礎付けが進展しています。本講演では、こうした量子暗号通信の安全性や今後の応用可能性について考察します。

セミナー終了後、金融研究所のホームページに各プレゼンテーション資料を掲載する予定です。なお、上記プログラムの内容は変更される可能性があります。

― 講演の順序と時間配分を変更しました(2月18日)。



3.ご講演資料



4.照会先

日本銀行金融研究所情報技術研究センター
E-mail:citecs(at)boj.or.jp(メールアドレスの(at)を@に置き換えてください)