貨幣博物館 常設展示図録
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4「円」の誕生裏裏明の手元にある金銀が不足していたため、政府紙幣の大部分は不ふ換かん紙幣となった。 近代72原型製作は、金属工芸家であった加納夏雄が手がけた。二十円金貨20 Yen(Gold)二円金貨2 Yen(Gold)一円金貨1 Yen (Gold)当時のアジアでは貿易には銀貨(メキシコ銀)が使われており、政府は貿易に使用するための銀貨を発行した。この銀貨はやがて国内でも使用されるようになった。五十銭銀貨50 Sen(Silver)1 Yen Coin for Foreign Trade(Silver)当時の為替レートは、1円=約1米ドルであった。十円金貨10 Yen(Gold)貿易銀(貿易用一円銀貨)2 Sen(Copper)1871年1 Rin(Copper)五円金貨5 Yen(Gold)一厘銅貨二銭銅貨金貨・銀貨・銅貨と紙幣の発行The Birth of the Yen治政府は、1871(明治4)年に新貨条例を制定し、全国統一の新しい貨幣単位「円」(圓)を導入し、近代洋式製法による金貨・銀貨・銅貨を発行した。また、兌だ換かんを目指して政府紙幣を発行したが、政府円の誕生新貨条例(1871年)により、政府は法令上、金本位制(金1.5g=1円)を採用するとともに、十進法の貨幣単位「円・銭・厘」を導入し、貨幣単位は1円=100銭=1,000厘となった。貿易のためのお金の発行新貨条例によるお金Money Under the New Currency Act

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