貨幣博物館 常設展示図録
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topic 近世62金のなる木えびすと大黒への信仰は、室町時代から江戸時代にかけて広まったとされる。えびす講旧暦の10月20日などに行った商売繁盛を祈る商家の行事。えびすとともに大黒の像や絵を祀り、鯛や菓子を供え、親類・知人を招いて宴を催した。江戸時代の藩札で富の象徴として用いられたえびすや大黒のデザインは、明治維新後にも引き継がれ、国立銀行紙幣ではえびすが、最初の日本銀行券では大黒が用いられた。広告のデザインえびす・大黒は、富の象徴として「引札」(広告)のデザインに数多く登場した。国立銀行紙幣(新) 五円帳簿をつける福神帳簿をつけたり蔵に荷を運び入れるなど、働くえびす・大黒の姿が描かれている錦絵も多い。大福帳やそろばんなど商家で使われた道具も描かれている。日本銀行券 旧五円券裏裏For Prosperity in One’s Business福神(福の神)が描かれた錦絵(江戸時代〜明治時代)には、福徳(幸福や豊かさ)への人々の願いがあらわれている。えびすや大■■黒■■などの福神とともにお金や宝物が描かれ、縁起の良い絵として親しまれた。肥前島原藩札商売の神 えびすと大黒  商家では、商売繁盛を願い、えびすや大黒があつく信仰された。紙幣にデザインされたえびす・大黒福の神とお金

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