貨幣博物館 常設展示図録
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topicゆるやかなお金の統一 59「尾上松助 和田しづま」主君より餞別に小判包をもらう武士青ざし 300文ざし包金 二分金百両包包銀 銀三枚包普通の銭さし 100文ざしMoney as a Gift金貨・銀貨・銭貨は、献上や下賜などの贈答の場面でも使われた。江戸時代の絵画のなかには、和紙に包まれた金貨・銀貨(包金・包銀)が授受されている様子が描かれている。包金 小判五十両包敵討ちに向かう和田しづまに、主君誉田内記が餞別として折敷に載せた金百両包を与える場面。和紙に小判50枚が包まれている。普通の銭さしと比べると、銭貨の周り(側面)がきれいに揃っている。二分金200枚が包まれている。秤量銀貨の包紙の表には、銀の単位「枚」(1枚=43匁)が書かれた。包みの中には重さを微調整するため、丁銀とともに豆板銀が入っている場合もある。「御上洛ニ付拝領銀被下置候事」将軍が京の町人に包金を贈る場面将軍徳川家茂が1863年に上洛した際、銀5,000貫目を京の町人に与えた場面を描いた瓦版。瓦版によれば、実際に将軍が与えたのは、「銀五千貫目」に相当する金貨「二歩判 金六千二百両入」 10箱と「紙包 金百両包」10包であった。贈られた金貨・銀貨  金貨・銀貨を贈答に使うときは、和紙に包み、表に貨幣の種類と数量が墨書された。贈られた銭貨  銭貨を贈答に使うときは、形が整った良質の銭貨を紺に染めた紐に通した「青ざし」が使われた。お金を贈る

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