貨幣博物館 常設展示図録
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裏文政南鐐一朱銀江裏裏52文政一朱金「大日本産物相撲」Ranking of Products from the Various Regions of Japan商品作物の生産が全国に広がり、各地の特産品番付がつくられた。伊豆の八丈縞、京の羽二重、土佐の鰹節、陸奥の松前昆布、出羽の最上紅花、阿波の藍玉などの名前がみえる。Bunsei Isshukin (Gold)1824年品位12% 近世幕府は五匁銀12枚(60匁)=金1両に相場を固定しようとしたが、それまで金銀相場の変動で利益を得ていた両替屋の協力が得られなかったことなどからうまく流通しなかった。極めて質の悪い金貨。一朱金が粗悪で不評であったことから、一朱として通用する銀貨を発行した。金貨の単位の計数銀貨が浸透していった。Bunsei Nanryo Isshugin (Silver)1829年品位99%明和五匁銀Meiwa Gomommegin (Silver)1765年品位46%「南鐐」は良質の銀の意味。この銀貨8枚で小判1両と交換すると書かれている。金貨との引替えの際、両替屋や金貨の保有者に利益が出るように便宜を図ったこと、また小額面で使いやすかったことから流通が進んだ。明和南鐐二朱銀Meiwa Nanryo Nishugin (Silver)1772年品位98%裏計数銀貨の発行18世紀後半に幕府の実権を握った田沼意次は、それまで使われてきた秤量銀貨を回収し、代わりに両建ての計数銀貨「明和南鐐二朱銀」を発行し、計数銀貨を金貨の補助貨幣とした。小額金貨の発行小額面の貨幣が使われる機会が多くなったことなどから、幕府は新たに1両の16分の1にあたる一朱金を発行した。小さな額面の金貨・銀貨の登場Issuance of Coins in Small Denominations戸時代後半には、米だけでなく、各地でつくられたさまざまな商品が全国で流通するようになり、人々が貨幣を使う機会が増えた。幕府は小額面の計数金貨・銀貨を新たに発行して需要に応えた。小額金貨・銀貨の発行Gold and Silver Coins in Small Denominations12庶民のお金

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