貨幣博物館 常設展示図録
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4埋められた銭memo 中世24屋敷の溝から銭を掘り出す様子Recovering Coins from a Ditch at a Home各地の遺跡から出土した銭貨をみると、14世紀以前は、全国的に北宋銭が多く、北宋銭が広く浸透していたことがわかる。15世紀以降、明銭が流入するようになると、出土する銭貨に地域差が出てくる。「一遍聖絵」清浄光寺(遊行寺)蔵銭貨が入っていた壺Pot Filled with Coins16世紀ごろ宮崎県西臼杵郡出土渡来銭など66種類、約7,700枚の銭貨が入っていた。5貫文の銭さし重要文化財 広島県草戸千軒町遺跡出土品画像提供:広島県立歴史博物館Coins Hoarded出土した銭貨の種類 13まざまな説がある。世紀後半から16世紀後半の遺跡から、銭貨を集めて壺などに入れた事例が多く発見されている。銭貨をまとめて埋めた理由としては、貯蔵・貯蓄、戦争や災害などからの緊急避難、まじないなどさ銭さしは何文?銭貨は通常 1枚=1文 として使われた。しかし、中世には紐を通して銭さしにすると97枚で100文とみなして使われることが多かった。草戸千軒町遺跡(広島県)で出土した銭さしはその5割以上が97枚であった。なお、近世になると、一文銭96枚を100文とみなして使われた(九六銭)。銭貨はなぜ埋められた?Why Were Coins Hoarded?

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