金融研究 第31巻第3号 (2012年7月発行)

第13回情報セキュリティ・シンポジウム
「金融分野における情報セキュリティ技術の最新動向と今後の方向性」の模様

 日本銀行金融研究所は、2011年10月28日、「金融分野における情報セキュリティ技術の最新動向と今後の方向性」をテーマとして、第13回情報セキュリティ・シンポジウムを開催した。
 金融機関は、情報システム全体や個々の取引の安全性・信頼性を確保するために、暗号技術、認証技術、ネットワーク技術等の情報セキュリティ技術を利用している。情報セキュリティ技術やそれを取り巻く環境は絶えず変化しており、情報システムの構築・運用にあたっては、こうした技術の動向や環境の変化を把握したうえでリスクを適切に評価・管理することが求められている。
 今回のシンポジウムでは具体的なテーマとして、(1)最近急速に普及が進み、金融分野でも活用され始めている高機能携帯電話(スマートフォン)に関するセキュリティ、(2)インターネットの住所に相当する「IPアドレス」の枯渇に伴い導入が避けられなくなりつつあるインターネットの次世代仕様「IPv6: Internet Protocol version 6」の概要とその導入による影響、(3)通信の暗号化や認証等に利用される暗号アルゴリズムにおける世代交代の状況、(4)ICカード等を利用するペイメントシステムに関するセキュリティを取り上げた。上記(1)(2)(3)については専門家から各テーマの現状や今後の方向性に関する講演が行われたほか、上記(4)については当研究所スタッフの研究成果が発表された。
 本稿では、本シンポジウムを構成するキーノート・スピーチ、3件の講演、研究発表、総括コメントの概要を紹介する。


掲載論文等の内容や意見は、執筆者個人に属し、日本銀行あるいは金融研究所の公式見解を示すものではありません。

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