金融研究 第31巻第3号 (2012年7月発行)

ファイナンス・ワークショップ
「金融機関における経済資本の活用と経営効率の向上」の模様

 日本銀行金融研究所は、2012年1月12日に「金融機関における経済資本の活用と経営効率の向上」をテーマとした研究ワークショップを開催した。
 2007~08年の金融危機は、金融機関のリスク管理のあり方についても多くの教訓を残し、経営管理ツールとしての経済資本の重要性が再検討される契機となった。また、わが国の金融機関では、収益率が伸び悩む中でどのように経営の強みを見出せばよいかが課題となっている。本ワークショップは、金融機関の経営効率を向上させるうえで経済資本の考え方をどう活用できるのかについて、実務家と研究者の議論を通じて理解を深め、日本の金融機関に適した経営の効率化策とは何かを考察することを目的として開催された。
 本ワークショップは、3つのセッションから構成された。第1セッションでは、「経済資本を活用した金融機関の経営効率向上策」に関する導入報告が行われ、指定討論者によるコメントと参加者による自由討議が行われた。第2、第3セッションでは、それぞれ「経済資本活用の実効性向上」、「与信ポートフォリオの収益性向上策と経済資本」をテーマとしたパネル討論が行われ、金融機関の実務家からの報告に対し、研究者から指定討論が行われ、さらに参加者全体による自由討議が行われた。
 本稿では、各セッションにおける報告、指定討論、自由討議について、その概要を紹介する。


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