金融研究 第29巻第2号 (2010年4月発行)

中国農村金融制度改革の現状と課題:
−銀行業金融機関の再生と三農政策に呼応した取り組みの中間評価−

岡嵜 久実子

 中国において農村金融制度改革が本格化してから6年以上の時間が経ち、部分的にではあるが、その成果が現れ始めている。財政部および中央銀行による資金支援などを梃子に、既存金融機関の財務内容の改善や新たな形態の金融機関の設立が進んでいるほか、信用保証制度や信用情報システムの整備をはじめ、貸出実行を支える環境整備の面でも一定の成果が上がっている。
 しかし、農家や農村の中小企業の多くは、依然として正規の金融ルートから締め出されている。農村のニーズに合った金融商品の提供、担保制度の拡充、金融機関の資金調達環境の整備、コーポレート・ガバナンスの改善、人材育成など、残された課題は少なくない。資金分配の効率性と透明性を高めるためには、商業金融、政策金融、合作金融の役割分担をより明確にしてゆく必要もある。

キーワード:農村信用合作社、農業銀行、新型農村金融機関、自己資本増強、小額貸出


掲載論文等の内容や意見は、執筆者個人に属し、日本銀行あるいは金融研究所の公式見解を示すものではありません。

Copyright © 2010 Bank of Japan All Rights Reserved. 注意事項

ホーム