金融研究 第27巻法律特集号 (2008年12月発行)

再建型倒産手続における利害関係人の間の「公正・衡平」な権利分配のあり方

山本 慶子

 本稿は、再建型倒産手続について、債務者企業における利害関係人との間で、とくに株主と債権者との間で行われる再建後の企業に対する権利の再分配について、その際の基準としての「公正・衡平(fair and equitable)」の具体的内容とそれを実現する権利分配方法について考察を行うものである。
 再建型倒産手続は、実際に全資産を換価することなく、再建後の「企業価値に対する権利」の分配を利害関係人の間で行うものということができる。再建後の企業価値は既存の権利の総額に満たないことが一般であるため、こうした権利分配を行ううえでは、具体的な手続としては、再建計画案において、利害関係人が手続開始前から有していた既存の権利を変更する定めを置くことが必要となる。
 米国では、こうした権利の分配基準としての「公正・衡平」は「絶対優先原則」を意味するものとされており、内在する問題点を克服するかたちで発展してきている。本稿では、米国における議論を参考に、わが国においても絶対優先原則の遵守が再建型倒産手続における権利分配基準である「公正・衡平」として望ましいという立場にたったうえで、絶対優先原則を内容とする「公正・衡平」を基礎にした権利分配の具体的なあり方につき試論を示している。

キーワード:公正・衡平、絶対優先、相対優先、新価値の法理、会社更生、民事再生、権利保護条項


掲載論文等の内容や意見は、執筆者個人に属し、日本銀行あるいは金融研究所の公式見解を示すものではありません。

Copyright © 2008 Bank of Japan All Rights Reserved. 注意事項

ホーム