金融研究 第26巻別冊第2号 (2007年11月発行)

CDOプライシングの離散高速アプローチ(2):ツリーを用いた準解析的プライシングの1ファクター・モデルへの適用

横谷 進弥

 横谷[2007]では、CDO(Collateralized Debt Obligation)プライシングに必要な条件付同時デフォルト確率についてツリー法を用いた効率的な計算手法を構築し、1ファクター・モデルへの応用例を提示した。本稿では、ツリー法のマルチ・ファクター・モデルへの応用について議論する。特に、マルチ・ファクター・モデルで必要となる(1)多次元積分の計算をいかに効率よく行うか、(2)任意の相関行列をいかに少数のファクターで表現するかという2点に焦点を当てる。多次元積分の計算では、次元数(ファクター数)が3以内であれば数値積分、4以上の場合にはモンテカルロ法が効率的となる。後者の場合、モンテカルロ法を効率化する手法である分散減少法、準モンテカルロ法の活用が重要となる。両者の収束の速さを比較検討した結果、ファクター数が大きい場合はツリー法に準モンテカルロ法を用いると、既存のCDOプライシング手法より高速に計算できることがわかった。また、相関行列のファクター化手法を最適なファクター数の選択方法とあわせて紹介し、その計算事例を示す。

キーワード:CDO、ツリー法、モンテカルロ法、準モンテカルロ法、分散減少法、相関行列のファクター化手法


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