金融研究 第24巻別冊2号 (2005年12月発行)

コピュラの金融実務での具体的な活用方法の解説

戸坂凡展、吉羽要直

 金融実務では、周辺分布間の依存構造を扱う1つのツールとして、近年、多変量分布を周辺分布と分布間の依存構造に分離して表現した関数である「コピュラ(copula)」が注目されている。しかし、その一方で、実務でのコピュラの具体的な活用方法を解説した文献はほとんどない。そこで、本稿では、コピュラの具体的な活用方法の詳細を、実例を織り交ぜながら解説する。
 本稿では、まず、コピュラの定義、性質に加えて、パラメータ推定方法と乱数発生方法を概説する。次に、正規、t、クレイトン、ガンベルおよびフランク・コピュラを対象に、それらの性質を説明し、具体的なパラメータ推定方法や乱数発生方法等を示す。また、コピュラを用いた実証分析を行い、若干の考察を加えるほか、コピュラを巡るいくつかの留意点を説明する。

キーワード:コピュラ、多変量分布、最尤法、乱数、相関、裾依存


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