金融研究 第24巻第2号 (2005年7月発行)

第7回情報セキュリティ・シンポジウム
「金融業界における情報システムの脆弱性検知と情報共有」の模様

 本稿は、日本銀行金融研究所が平成17年3月29日に「金融業界における情報システムの脆弱性検知と情報共有」をテーマとして開催した第7回情報セキュリティ・シンポジウムの模様を紹介するものである。
 現在の金融業界の情報システムは、コンピュータ・ウィルスから、フィッシング詐欺、個人情報漏洩、偽造キャッシュカードによる不正預金引出しに至るまで、さまざまな脅威にさらされている。重要インフラの1つである金融業界には、こうした脅威の原因となっているシステムの脆弱性を的確に検知し、これを是正することが求められている。
 今回のシンポジウムでは、まず、金融業界の情報システムにおける脆弱性とその対応状況について説明し、問題提起を行った。そのうえで、そうした脆弱性の具体例として、生体認証技術やデジタル署名の長期利用技術に関する最近の研究成果を報告するとともに、今後、金融業界がこうした問題に適切に対処していくために脆弱性検知や情報共有をどのように進めていくべきかについて議論した。
  シンポジウムは、開会挨拶、キーノート・スピーチ、2件の研究発表、パネル・ディスカッション、総括コメントによって構成された。フロアには金融業務における情報セキュリティ対策を担当している金融機関関係者のほか、暗号学者、金融業務と情報セキュリティ技術に関係の深い官庁関係者、電機メーカーの研究開発部門・標準化部門の実務家や技術者約150名の参加を得た。


掲載論文等の内容や意見は、執筆者個人に属し、日本銀行あるいは金融研究所の公式見解を示すものではありません。

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