金融研究 第24巻第1号 (2005年3月発行)

非対称ショックと地域間リスク・シェアリング:わが国の都道府県別データによる検証

中久木雅之、藤木裕

 本稿では、1975年度から1999年度のわが国都道府県別データを用いて、都道府県に固有な所得ショックに対する保険効果をKalemli-Ozcan, Sorensen and Yosha[2003]の分析手法に従って推計した。分析結果から、都道府県に固有な所得ショックのうち、約20%が資本市場を通じた地域間の保険効果によって吸収され、約10%が中央政府の租税政策による都道府県間の所得移転によって吸収され、約60%が個々の経済主体の貯蓄・借入の変動によって吸収されていることが示された。

キーワード:地域別ショック、リスク・シェアリング


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