金融研究 第23巻別冊第2号 (2004年11月発行)

競売不動産からみた首都圏地価の動向

才田 友美

 各地方裁判所で行われている不動産競売は、不良債権の担保を回収する際などに多く用いられる制度として、近年注目を集めている。競売市場での落札価額は、わが国において個別の不動産価額情報としては唯一、一般に公開されている取引価額であり、地価動向を把握するうえで有益な情報を有している。しかし、データの未整備により、これまで分析されることが困難とされてきた。そこで本稿では、過去10年間にわたる首都圏の不動産競売データを整備したうえで、競売物件の地価動向を、ヘドニック・アプローチにより探った。
 その結果、首都圏の競売地価は、バブル崩壊後、一貫して前年水準を下回ったが、1997年の金融危機後を除けば、下落幅は縮小傾向にあることがわかった。また、競売地価は、鑑定価格をベースにした公示地価に比して、下落幅が大きく、変動が激しく、転換点については先行する傾向があることもわかった。

キーワード:不動産競売、地価、ヘドニック・アプローチ


掲載論文等の内容や意見は、執筆者個人に属し、日本銀行あるいは金融研究所の公式見解を示すものではありません。

Copyright © 2004 Bank of Japan All Rights Reserved. 注意事項

ホーム