金融研究 第23巻第2号  (2004年6月発行)

第6回情報セキュリティ・シンポジウム「金融分野における人工物メトリクス」の模様

 日本銀行金融研究所は、平成16年3月26日、「金融分野における人工物メトリクス」をテーマとして、第6回情報セキュリティ・シンポジウムを開催した。
 人工物メトリクスとは、証書、証券、紙幣、カード等の人工的に製造された物理媒体 (人工物)を、おのおのの個体に特有の特徴を用いて認証する技術である。近年、デジタル画像処理技術が発達、普及した結果、証書やカードを精巧に偽造・複製・改ざんすることが、従来よりも容易になってきた。金融分野では、有価証券、預金通帳と印鑑、紙幣、キャッシュ・カード、クレジット・カード等さまざまな人工物が利用されているため、それらの偽造・複製・改ざんを防止するための技術を強化していくことが求められている。今回のシンポジウムでは、情報セキュリティ技術の手法を用いて、人工物のセキュリティを向上させる技術である人工物メトリクスに着目し、金融業務における実際の適用事例を紹介するとともに、今後の課題について議論した。
 本稿では、シンポジウムにおけるキーノート・スピーチ、研究発表、パネル・ディスカッション、総括コメントの概要を紹介する。


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