金融研究 第22巻第4号 (2003年12月発行)

外貨金銭債務の弁済と代用給付権:
民法第403条の牴触法的考察

板谷 優

 わが国の代用給付権規定である民法第403条は、従来、私法上の規定と捉えられ、渉外的法律関係においても、通常の牴触法的指定の枠組みによって適用されると考えられてきた。しかし、近時、同条を公法的規定と捉えたうえで、通常の牴触法的指定とは異なる公法適用理論の枠組み(公法適用理論ないし強行法規の特別な連結理論)によるとする学説が提唱されている。そこで、本稿では、牴触法的指定による従来の学説と公法適用理論による学説とを対比しつつ、代用給付権の準拠法に関する議論の整理を試みる。
 具体的には、まず、民法第403条の沿革等の検討を通じて、同条の実質法上の位置付けを明らかにする。次に、国際私法学上の代用給付権の準拠法に関する従来の学説のサーベイを行ったうえで、民法第403条の渉外的法律関係における適用について、牴触法的指定による学説と公法適用理論による学説の比較検討を行う。

キーワード:外貨金銭債務、任意債務、強行法規、外貨現実支払特約、当事者自治の原則、補助準拠法、強行法規の特別連結論


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