金融研究 第22巻第2号 (2003年6月発行)

第5回情報セキュリティ・シンポジウムの模様
─デジタル署名の長期的な利用とその安全性─

 日本銀行金融研究所は、2003年3月7日、「デジタル署名の長期的な利用とその安全性」をテーマとして、第5回情報セキュリティ・シンポジウムを開催した。
 今回のシンポジウムの問題意識は、電子商取引や電子政府等の分野で電子文書の作成者や完全性を確認する手段としてデジタル署名の利用が拡大しつつあることを踏まえ、今後、デジタル署名について、紙の文書における署名・捺印と同等の効果を期待して利用していくことを想定すると、デジタル署名の長期的利用に伴う問題点や、これを解決するための方策を検討しておく必要があるのではないか、というものである。シンポジウムでは、現在利用されている通常のデジタル署名方式を用いただけでは、電子文書の完全性確保等の効力を長期間維持することは難しいことが指摘され、電子文書を安全に長期的に利用するための新しい技術について、活発な議論が行われた。
本稿は、シンポジウムにおけるキーノート・スピーチ、研究発表、パネル・ディスカッション、総括コメントの概要を紹介するものである。


掲載論文等の内容や意見は、執筆者個人に属し、日本銀行あるいは金融研究所の公式見解を示すものではありません。

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