金融研究 第21巻第3号 (2002年9月発行)

多くの情報変数を用いた予測方法の有用性について

北村 冨行、小池 良司

 本稿では、さまざまな金融・経済指標を情報変数として用い、CPIおよび実質GDP変化率の予測系列を作成したうえで、個別の変数による予測と多変数の情報を集約した予測のパフォーマンスを比較した。CPI・実質GDPいずれの予測でも、単独で予測を常に改善させる変数は見出せなかったが、個別予測系列の情報を集約することにより予測パフォーマンスは安定化することが示された。この背景を探るため、単純平均による予測統合について、予測誤差の要因分解を行ったところ、主として予測誤差の撹乱的な動きが互いに打ち消し合うことによって誤差縮小が生じていることがわかった。もっとも、予測誤差の縮小効果は変数の追加に伴って急速に減衰する一方で、予測パフォーマンスの劣る系列が追加されるため、予測パフォーマンスの改善効果は高々2~4変数で出尽くしてしまうことも確認された。このため、最適な予測統合対象を得るためには、統合を構成する原予測系列のパフォーマンスと、予測誤差系列間の相関が小さくなるような変数の組み合わせの両方を考えていく必要がある。

キーワード:情報変数、多変数予測、サンプル期間外予測、予測統合


掲載論文等の内容や意見は、執筆者個人に属し、日本銀行あるいは金融研究所の公式見解を示すものではありません。

Copyright © 2002 Bank of Japan All Rights Reserved. 注意事項

ホーム