金融研究 第21巻第2号 (2002年6月発行)

戦間期日本の経済変動と金融政策対応
─テイラー・ルールによる評価─

鎮目 雅人

 本稿では、戦間期日本の経済変動と金融政策運営について、通貨体制の変遷との関係を念頭におきながら整理する。その際、近年、金融政策を評価する際に用いられることの多いテイラー・ルールの枠組みを用いて、それぞれの通貨体制のもとでの金融政策運営について論じる。本稿での分析によれば、金本位制期から戦間期における日本の金融政策運営は、(1)インフレ率との関連でみると、総じて経済変動を増幅させる方向に働いていたこと、ならびに、(2)通貨体制と密接に関係しており、第1次大戦前の金本位制や1920年代の管理フロート制のもとでは、国内経済の安定を犠牲にして為替レート目標を達成するような金融政策運営がなされていたことが示唆される。一方、金本位制離脱後については、本来であれば管理通貨制のもとで、国内経済の安定につながるような金融政策運営が可能であったにもかかわらず、こうした政策運営が行われていたとは必ずしもいえないことが示される。

キーワード:金融政策、通貨体制、金本位制、戦間期経済、テイラー・ルール


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