金融研究 第19巻別冊第2号  (2000年9月発行)

本邦国債市場における市場参加者行動と価格決定メカニズム
−1998年末から1999年中の市場の動きを理解するために−

重見 庸典、加藤 壮太郎、副島 豊、清水 季子

 国債市場における市場流動性・効率性の向上は、円金利体系のベンチマーク・イールドとなる国債利回りが市場実勢を反映し歪みなく決定されていく上で、また、金融政策遂行上の観点からも重要な課題である。しかし、わが国国債市場は、マーケット・ストラクチャーの側面あるいは市場参加者行動等の側面からさまざまな問題点が指摘されており、ストレスに対して脆弱な市場体質となっている。特に1998年末以降1999年夏にかけて、レポ市場を中心に国債市場における広範な流動性低下が観察された。
 本稿では、最近の本邦国債市場において顕現化した種々の現象が価格形成メカニズムに及ぼした影響を、マーケット・メイク機能の低下(プライシングの困難化および収益面への影響等)という側面から、定量的に分析した。その結果、市場が不安定化した時期に、現物・先物市場間および現物銘柄間の裁定関係が悪化した、従来のプライシング手法が有効でなくなった、収益率がリスク比大幅に低下した、といった事実が観察された。

キーワード:国債先物、レポ、ベーシス、インプライド・レポ・レート、デリバリー・オプション、現物プライシング・モデル、銘柄特性、スプライン、CTD交替、限月スキップ、ヘッジ機能低下


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