金融研究 第16巻第2号 (1997年6月発行)

電子マネーの一実現方式について
─ 安全性、利便性に配慮した新しい電子マネー実現方式の提案 ─

中山靖司、森畠秀実、阿部正幸、藤崎英一郎

 インターネットが広範に普及する中、電子商取引(エレクトロニック・コマース)の実現に向けて、世界各国でさまざまな取組みが進められている。とりわけ、お金の情報を電子化し、オープンなネットワークの中でも利用可能とするような「電子マネー」は、電子商取引実現のための基幹技術として、実用化に向けた研究・実験が一段と活発化してきている。
 本稿では、電子マネーが安価で信頼性の高い新たな金融サービスとなるために求められる要求条件を「安全性」、「電子マネー特有の利便性」、「現金のメリットの継承」の3つの観点から考察する。次に、この要求条件を満足する電子マネーを実現するための設計方針を明らかにし、新たに考案したアイデアを加えた新しい電子マネー実現方式についてのプロトコル概要等を提示する。

キーワード:電子商取引、電子マネー、暗号技術、デジタル署名、安全性、プライバシー


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