金融研究 第15巻第5号 (1996年12月発行)

わが国の連結会計基準の諸問題
─ 国際的調和の視点から ─

平松 一夫

 近年、企業をとりまく環境の変化に応じてわが国の企業が急速に集団化・多角化・国際化を進める中で、企業業績を連結ベースで評価する必要性がさらに高まるなど、連結財務諸表は格段にその重要性を増している。それに伴い、現時点にふさわしい連結会計制度を再構築する必要性が強く認識されるに至っている。一方、世界では会計の国際的調和を目指す動きが急進展しており、わが国の連結会計基準は再検討を迫られている。
 本稿においては、わが国の連結会計基準の諸問題を、特に国際的調和の視点から検討するものである。そのために、第2節で国際会計基準(IAS)をめぐる動向を整理し、次に第3節でわが国企業会計制度へのIASの適用方式について検討する。ここでは、現実の対応策として、証券取引法のみで作成を要求されている連結財務諸表に限ってIASを導入することを提案している。そして第4節では個別の論点として、1.連結の範囲、2.連結決算日、3.会計処理の統一、4.投資消去差額の処理、5.持分法の適用、6.ジョイント・ベンチャーの会計処理、7.連結財務諸表の体系と様式、8.セグメント情報の開示について、それぞれわが国の基準とIASの規定の内容を比較検討することとする。最後に第5節では、これまでの議論を要約し、国際的調和の視点から、わが国の連結会計基準が現在直面する課題を提示する。

キーワード:連結財務諸表、企業会計、国際会計基準、持分法、ジョイントベンチャー、セグメント情報、トライアングル体制


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