ディスカッションペーパーシリーズ(日本語版) 2019-J-15

量子コンピュータによる脅威を見据えた暗号の移行対応

伊藤忠彦、宇根正志、清藤武暢

近年、量子コンピュータの研究開発が活発化しており、その処理性能が向上し続けている。量子コンピュータの処理性能が一定レベルを超えると、現在広く利用されている暗号(公開鍵暗号や共通鍵暗号)の安全性が低下しうることが知られている。暗号は、金融サービスのセキュリティを支える基盤技術として活用されており、今後、金融機関は、暗号の移行等、安全性低下への対応を検討する必要がある。本稿では、量子コンピュータが暗号の安全性へ与える影響について概説するとともに、金融機関の情報システムで利用される暗号を移行するうえでの留意点等について考察する。

キーワード:暗号の移行、共通鍵暗号、公開鍵暗号、耐量子計算機暗号、量子コンピュータ


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