ディスカッションペーパーシリーズ(日本語版) 2016-J-6

情報セキュリティ・シンポジウム(第17回)
「金融取引を安心安全に実現するための認証技術:
FinTech時代も意識して」の模様

日本銀行金融研究所は、2016年3月2日、「金融取引を安心安全に実現するための認証技術:FinTech時代も意識して」をテーマとして、第17回情報セキュリティ・シンポジウムを開催した。
インターネット・バンキングにかかわる脅威と不正対策に対する関心は、近年、益々高まる傾向にある。また、「FinTech」と呼ばれ、俄かに注目を集めている新しい金融サービスも、インターネット等を経由して提供されるため、同様のセキュリティ問題に晒されている。したがって、新旧いずれのサービスにおいても、利用者や取引内容を確認するための「認証」が重要な役割を担っている。インターネット上で安心安全な金融取引を実現していくためにも、認証を巡る最新の動向を継続的に把握し、それらの活用を検討していくことが重要である。その際、セキュリティ(安全性)を強調するばかりでは、技術の発展・普及を阻害することになりかねず、利便性や網羅性を合わせた3つの要素をバランスよく満たす認証技術を開発していくことが望まれる。
こうした問題意識に基づき、今回のシンポジウムでは、認証プロトコル、生体認証、暗号ハードウェア、異常検知など、認証技術に関わるテーマを取り上げ、研究開発の最新動向を紹介する講演を当研究所スタッフと外部研究者によって行った。また、外部の専門家を招いて、「インターネット・バンキングのさらなる発展に向けて」と題するパネル・ディスカッションを行い、セキュリティ(安全性)・利便性・網羅性の間でバランスを取るためには、いかなる方法が有効かといった点について議論した。本稿では、キーノート・スピーチ、4つの講演、パネル・ディスカッションの概要を紹介する。

キーワード:異常検知、インターネット・バンキング、生体認証、取引認証、認証プロトコル、FinTech、TEE


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