ディスカッションペーパーシリーズ(日本語版) 2015-J-5

何がマクロプルーデンス政策の制度的枠組みの違いをもたらすのか?

江川 絵理、大谷 聡、崎山 登志之

本稿では、先進国、新興国をあわせた66か国におけるマクロプルーデンス政策の制度的枠組みに関する情報を使って、その最近の動向と特徴を考察するとともに、特に中央銀行と政府の役割に焦点を当て、どのような要因によって、各国で採用されている枠組みが決定されているのかを分析する。本稿からは、多くの国で、マクロプルーデンス政策の権限の設定や、意見交換や政策協調を行うための金融安定会議の設置など、近年、急速にマクロプルーデンス政策の制度的枠組みを整備する動きが進んでいることが示唆されている。また、現在、多くの国では、中央銀行が一元的にマクロプルーデンス政策を担う中央銀行への集中型か、中央銀行を含む複数の機関がマクロプルーデンス政策に関与し、政府が複数の機関間での意見の調整や取りまとめを担う政府による調整型の2つの枠組みが選ばれている。そして、実証分析の結果、こうした枠組みの違いが観察されている背景には、各国の金融・経済構造、為替相場制度、政治面での民主化度合いといった幅広い要因が影響を与えていることが明らかにされる。

キーワード:マクロプルーデンス政策、順序プロビット分析、制度的枠組み、金融安定会議


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